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  • 2025-10-22
  • CATEGORY診療案内

ペットドックのご案内

当院では、例年10月~翌年2月まで、ペットドックを実施しております。

ペットドックとは、その名の通りペットの健康診断です。犬猫は自覚症状を言葉で訴えることができないため、症状が現れる前に、様々な検査を通じて異常を早期発見し、早期治療に結びつけることが大切です。

当院では「基本の6つの検査」を実施し、多角的にペットの健康状態を把握していきます。
木曜日以外の平日、1日1件限定でご予約を承っておりますので、ご希望の場合はお気軽にお問い合わせください。

当院で行うペットドックの内容について、概要を解説していきます。

基本の6つの検査


ペットドックに含まれる検査は、身体検査、尿検査、便検査、血液検査、胸腹部レントゲン検査、腹部超音波検査の6種類です。

身体検査
まずは、事前に記入していただいた問診票をもとに、獣医師が丁寧に身体検査を行います。
体重の増減や皮膚の状態、目、耳、体表リンパ節、関節と順番にチェックし、聴診器で不整脈や心雑音の有無も確認します。

尿検査
当日の朝、ご自宅で採尿していただいた尿を検査します。
当院では今年度から全自動の尿化学分析装置を導入しており、人の目に頼らず、客観的な検査ができるようになりました。
腎機能や尿路結石など、尿からはたくさんの情報が得られます。

便検査
基本的に当日朝の便を用いて検査します。
顕微鏡で便を観察し、寄生虫疾患や腸内環境の乱れなどを検出します。

血液検査
採血を実施し、貧血、炎症、腎臓、肝臓、栄養状態の指標、血糖値、ミネラルバランス、甲状腺機能等を調べます。

胸腹部レントゲン検査
胸部と腹部のレントゲン検査を実施し、心臓、肺、腹部臓器、骨格等の異常を検出します。
肺の腫瘍や、背骨の異常や尿路結石が見つかることもあります。

腹部超音波検査(エコー検査)
腹部臓器の描出は、超音波検査が得意とするところです。
肝臓、腎臓、胃腸、脾臓、膀胱、副腎など、様々な腹部臓器を一通りチェックし、異常所見がないか調べます。
特に脾臓や肝臓は、しこり等が検出されることの多い臓器です。

これら6つの検査を基本とし、ご希望に応じて追加のオプション検査をおすすめします。
今回は、その他のオススメの追加項目をいくつかご紹介したいと思います。

おすすめのオプション項目


■心筋トロポニンⅠ
猫の肥大型心筋症や、犬の拡張型心筋症など、主に心筋症の検出に有用な血液検査です。
特に猫の肥大型心筋症は、早期発見が難しい疾患の1つ。
突然の呼吸困難や血栓症の症状を示すことがあります。
心筋トロポニンを調べることで、症状が現れる前に病気を発見できる可能性が高まります。

■ANP
こちらも心臓のバイオマーカーです。
主は、心臓の左心房という部分の圧力が上昇していることを検知します。
犬で最も多い心疾患である、「僧帽弁閉鎖不全症」では、比較的早期から上昇します。

犬の僧帽弁閉鎖不全症は、心雑音が聴取されることによって、早期に発見しやすい疾患でもありますが、チワワやキャバリアキングチャールズスパニエル、シーズー、トイプードル、マルチーズなどの好発犬種では、ANPと併せて評価しておくのもオススメです。

■心臓超音波検査
心臓の検査ばかりが続きますが、3つ目は心臓の超音波検査です。

・過去に心雑音を指摘されたことがある
・心臓バイオマーカーが引っかかったことがある
・普段の生活で、何となく散歩を嫌がるようになった、おもちゃで積極的に遊ばなくなった、安静時の呼吸が早い、咳をすることが増えた等の症状が気になる

上記に当てはまる場合は、心臓の超音波検査を受けることをおすすめします。
心臓の動きをリアルタイムに観察することにより、心雑音の出どころや弁の形態異常、心疾患の重症度などを診断することが可能です。

■FIV/FeLV
猫エイズウイルスと猫白血病ウイルスの検査です。
どちらも猫同士で伝染する感染症であり、将来的な免疫力低下、重度の口内炎、リンパ腫を始めとする腫瘍性疾患につながりうる疾患です。
特に複数等以上の猫を飼育されている方、新しい猫ちゃんをお出迎えされる方は、検査をご検討くたさい。

■癌マーカー
犬の全身性の腫瘍(リンパ腫、血管肉腫、組織球肉腫、肥満細胞腫、骨肉腫など)の疑いを検出する癌マーカー(nuq vetキャンサーテスト)の測定を始めました。
症状が現れるよりも前に、腫瘍性疾患の可能性を検出します(※すべての腫瘍を100%検出できるものではありません)。

■SDMA(猫)、シスタチンC(犬)
一般的な血液検査で調べる腎数値は、腎機能の7割を失って初めて、異常値を示すと言われています。
SDMAやシスタチンCは、より早期の段階で腎機能の低下を発見できる、腎臓の早期マーカーです。
最近水をよく飲むようになった、嘔吐の頻度が増えた等の症状がある犬猫さんは、一度調べてみることを推奨します。
また、僧帽弁閉鎖不全症を罹患している犬は、将来的に腎機能も低下する可能性があります。心臓の定期検査と合わせて、シスタチンCを測定することで、腎機能の低下にいち早く気づき、対処法を検討することができます。

それぞれに合った検査を


年齢や心配な症状に合わせて、ペットドックを自由にアレンジしてみてくださいね。
もし、「うちの子にはどんな検査が必要だろうか?」と悩まれている方、さらに詳しいことを知りたい方は、お気軽に当院スタッフまでお問い合わせください。追加費用等もご案内いたします。